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2014.01.27

山岳レスキュー講習会 2014

1月24日~26日までの3日間、日山協の山岳レスキュー講習会に参加してきました。
1aまさに山小屋”土合山の家”

 場所は谷川の麓、土合山の家周辺。宿泊は土合山の家。日本雪崩ネットワークのキャンプとクラス分けした講習で3クラス全員で51人。多いです。私はより実践に基づいた講習のクラス3。土合山の家は初めて行きました。古い山小屋風の宿だけど、快適に過ごす事ができました。
1bオリエンテーション前の広間

1日目(1/24)上越から殆ど雪のないR253で十日町→六日町へ。ここから高速に乗って水上まで。インターから20分ほどで宿着。最初に開校式→オリエンテーション、班分け、研修内容と時間割の説明の後講習が始まりました。
1cビーコンの特性チェック。全機種勢ぞろい。ヤマココって言うのもありました。

 まずは3クラス合同でJAN出川さんの講義。真砂沢や月山での事故報告や近年の報告など。内容はほぼアバランチナイトに沿った感じでしたね。この後3クラスに分かれる。室内でのアバランチトレーニング。ビーコンに不慣れな人(初めて触る人もいた)にも分かりやすく説明してくれた。電波の出方やクロスサーチなど。機種による特性の違いや音を聞くのかモニターを確認するのか、その時々の判断の仕方など。サーチに5分以上かかったら致命的。特定してからが大変。

1d流動分散。定期的にやらないと山ではできそうもないかな。

・プロービング。これも初めての人のために組立から。室内なので長いプローブが扱いにくい。
・ロープワーク。ロアーダウンと引き上げシステム。これ立木の利用(クリップコンティニュアスビレー)で。1/3システムの説明。立木を想定した流動分散(インラインフィギュアノット)とスリングによる固定。あくまでも救助に特化した内容です。裏技もたくさん教えてもらいました。クラス3をさらにAB2班に分けて行動。
 ここでいい時間になったので食事と入浴。夜は19時から低体温症の講義。トムラウシ事故から何を学ぶか、CPRはいつまでやるか、またCPRをやってはいけない場面など、非常に細かく講義を聴いた。部屋に戻ってから同室の方とロープワークの復習。凝縮された1日が終わる。疲れたのでそれでも22時半には寝ました。
1e1/3でストッパーを掛けて戻すときの処置。

1f夕飯。豪勢。

1g夜も続きます。低体温症の講義。トムラウシの事故に何を学ぶか…。

2日目(1/25)7時から朝食。
・8時から要救助者の容態観察。これは消防の人2人が本番のようにやって見せてくれた。さすが本職、早いし扱いが丁寧。首を固定して負担を最低限にしているのがよく分かった。
・実技パッケージング。ツェルトを使った梱包。実際に搬送された人の経験談を聞いたりして勉強になった。
・屋外に出て駐車場脇にて立木のない場面での支点作り。スノーピケットの打ち方とプラトーの作成。その他、土嚢に雪を詰めたり、芝を支点にしてそれぞれ5人ほどでロープを引くが丁寧に正確にプラトーを作ればびくともしないことが分かった。

2a要救発見。

2b動かして良いのかどうかを判断。

2c容態観察。消防士が現場で実際に何をやるのか見せてくれた。

2dあるもの全てを使ってパッケージング。コツがある。

2e完璧にやるとこうなる。要救への声掛けが重要。

 ここで昼。宿の不手際?で昼食の準備が整っていないとのことで提携の谷川ドライブインに行ってほしいと。うどんの大盛りを注文しました。ローカルだけど、なぜか居心地の良いサービスエリアでした。時間が押して午後は13時半から。
・屋外にてビーコンサーチとプロービング、そしてショベリング(V字コンベア)。実際に講師に雪の中に入ってもらってプローブが人にヒットするとどんな感じがするのか体験。講師も大変です。この後、定番の弱層を知るコンプレッションテスト。これもやっぱり雪の無い地域から来た人は未経験者が多いので、興味深く見ていました。
2fスノーピケットを打つ角度や土嚢を埋める時の形状を確認。
しっかり埋めれば5人で引っ張っても絶対に動かない。

2g昼は近くの谷川ドライブインへ。今で言う道の駅。ローカル。

2h午後からだんだん本格的な捜索へと入っていく。

2iやっぱり雪掘りが一番汗をかく。

2jスタッフが雪穴に入る。

2k可愛そうだが、プロービングの感触を確認するため、全員で突く。
その後、掘り出して搬送シートに運ぶ。3人いれば楽に動かせる。

2l最後はコンプレッションテスト。

2m豪華な旅館並だった夕食。カニとすき焼き。

 ここで17時。食事と入浴です。食事はなんとカニ半身とすき焼きでした。しかもビール付き。19時半からは広間にて3クラス合同の懇親会。各地から銘酒が勢ぞろい(笑)。ま、情報交換ですね。参加者の中には岳連理事長クラスの方が何人もいたので、非常に参考になるお話しばかりでした。懇親会は日付が変わる頃までやっていたそうですが、我々は早々に退散。雪掘りが多く、本日も疲れました。22時半就寝。

2n異様に盛り上がる懇親会。スタッフ含め60人以上が飲んで騒ぐ。

3日目(1/26)朝から雨です…。7時朝食、8時広間に集合。最初にストレッチャーでの搬送を少し。今日は集大成の日。まずはビデオによる説明と復習。最終日なので雪崩事故~サーチ、掘り出し、梱包、搬送までのシュミレーションです。実際の事故を山で目撃し、救助の依頼をされてからヘリ要請、ピックアップまでの一連の流れを通しでやります。勿論、講師は要所要所でストップを掛けてアドバイスをしてくれる、これが本当に参考になった。そのシュミレーション前のミーティングは広間でやります。リーダーから持ち物の指示。どう行動するかどんな事を想定するか。
3a3日目の朝はストレッチャーでの搬送から。

 実際のシュミレーションが始まります。雨は横殴りの雪に変わった。ミッションは谷川岳の西黒尾根登行中、雪崩にあったパーティーに救助要請されることから。およその方角とビーコン所持の有無を確認し、サーチモードで下降。遺留物は全てリーダーがかまう。位置特定後、プロービングヒット。掘り出しは人数がいるのでV字コンベア。掘り出し途中で2次雪崩が来たという設定。この時、自身のビーコンが古い機種でサーチのまま埋まったらアウトです。位置特定の前なのか後なのか、他に埋没者がいるのかいないのかで変わりますが、2次雪崩を確認したら逃げる前にビーコンはセンドモードに。
3b掘り出したら搬出です。この辺りからリーダーは大変。

3cヘリ待機場所まで上げたら風避けのブロック作成。でもヘリは来ない…。

3dさて…どうする。より安全な場所まで下ろさなければ。

 ここで高台にヘリが来るとの情報が。梱包を急いで1/3システム構築。引き上げ前に雪面に道付けもやる。全員で搬送しましたが、高台に行った後、風を遮るブロックを作る。と、この時新たなミッションが。急に風向きが変わり、現場の視界が悪くなったため、ヘリが来ないことになったので、より風の凌げる林間を通って一段下の台地へ再度搬送せよと。ここからミッション通りに台地へ下ろしてビバークに備えてスノーマウンテン作成。9人でやったので30分ちょっとで出来ました。
3e下ろした場所で梱包を解く。ヘリが来ないのだからビバーク準備。

3f雪洞が作れない場所ではスノーマウントが一番。

 講習会でビーコンだけとか梱包だけとかはよくあるけど、ここまで通しで実践さながらのシュミレーションはないと思った。講師は「講習だから早さを求めるのではなく、正確に理解してやって」と言っていたが、やっぱり焦る。で、思ったことが出来ない場面が多い。反省点も多くあるが、それが分かり、自分のスキルを補足できるのが講習会。半端なく中身の濃い講習会でした。
  ロープワークを含め、ビーコンのサーチや掘り出しなど、自分が今まで持っていたやり方や考えが良い意味で大きく変わりました。いろんな事はやらないと忘れるし、上手く出来なくなります。それら知識や技術などを知って改めて確認するって言う意味で本当に良い講習会でした。帰りは水上の道の駅で昼食。どこかの一文のようにトンネルを抜けて湯沢に入ると凄い雪でした。

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